コラム

リハビリとAIの関係について

リハビリの仕事はAIに代替されない?リハビリとAIの関係について~

10年後に消える職業~

今世の中には数えきれないほどの職業があり、それぞれの活躍の場で一人ひとりが活躍しています。
医師や理学療法士、トリマーやバスの運転手等、見渡せばたくさんの仕事がありますよね。 しかし、その中の一部の仕事は、10年後には無くなっているかもしれないのです。
ただ、ここで無くなるというのは、その仕事自体が消えてしまうこと以外に、人間がやる仕事では無くなってしまうという意味も含まれています。
人間がやらないとしたらいったい誰がやるというのか……それは、最新技術であるAI・ロボットです。
AIというのは人工知能のことです。 AIは作業を行う機械に組み込まれていて、AIがプログラミングに沿って判断したり、行ったことに対する結果を自己学習したりして機械をコントロールするといった活用をされています。
このAIを組み込んだ機械やロボットが、単純な作業はもちろん、少し難しい仕事も人間の代わりにできるようになるというのです。

理学療法学科実習風景

AIの得意なこと

AIが最も得意としているのは、決められたルールに則って判断し、決められた処理を行うことです。
毎回同じ結果を期待するような分野では、人間より素早く正確に物事を処理できるため、AIに代替されやすいといえます。
たとえば、運送業者や保険の審査、不動産鑑定などが挙げられます。他にもスポーツの審判なども機械的に処理されるようになります。 また銀行口座の開設、レストランのウェイター・ウェイトレスや料理人、驚くところではモデルも一部はロボットに代わられてしまう可能性があります。
確かに口座開設は、決められた項目が確認・入力できればいいですし、料理もレシピさえあればその通りに作ることができます。
モデルの仕事も、理想のスタイルと理想の見せ方をさせることだと考えれば、ロボットに代わられてしまうというのも納得です。

日常生活を振り返ってみると、AI・ロボット化の予兆のようなものも感じられます。 たとえば、スーパーやコンビニではセルフレジを導入しているところも増えていますし、飲食店でも注文をタッチパネルで行うところをよく見かけるようになりました。
スポーツでもビデオ判定はAIによる判断の前身と言えますし、料理も食材を入れるだけで作ってくれる機械が売られています。
このように仕事のAI化の一歩は、すでに踏み出されているのです。

リハビリ職は大丈夫?

では、リハビリ職の将来はどうなのでしょうか。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を代表とするリハビリ職ですが、結論からいうとこれらの職業はAIに代わられないと言われています。
というのも理学療法士や作業療法士の仕事は、パターン化することが難しく、またAIが最も苦手とする対人コミュニケーションが非常に重要な仕事だからです。

単純処理において人間より優れているAIですが、会話を始めとする人間とのコミュニケーションは、まだまだ人間に及びません。
そのためリハビリテーションという精神的負担を和らげたり、状況をより正確に理解しながら一人一人に合わせた施術を考えたりすることが必要なリハビリ職は、AIにとって複雑すぎるのです。

しかし、安心するのはまだ早いです。
リハビリ職自体は無くならないとされていますが、AIによって仕事の中の一部が無くなる、あるいは変化する可能性は十分にあります。
例えば診療状況の記録や患者さんの移動、またリハビリの一環としてAIを利用することもあるでしょう。
いずれもリハビリ職の負担をやわらげ、仕事を楽にしてくれるように活用されるものですが、人間だからこそ出来る部分を大切にしないとロボットに代わられてしまう可能性は十分にあるのです。

代替されないために必要なこと

AIに代替されないためには、AIが苦手なところを理解して活かす働き方が重要です。
無くならないと言われている仕事だからと安心せず、日々進歩する技術同様、自分自身も日々進歩していく気概は持ち合わせておきましょう。

リハビリ職の強みは何と言っても患者さんに心身共に寄り添い、心も身体もケアして快復を目指すことです。
ぜひ人の温かみを忘れない療法士を目指しましょう。




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